木陰の効用
2-8
木陰の効用
木陰…
いかにも涼しそうな響きがしますね。
炎天下の中、少しでも熱さを逃れるために探すのは、大きな木です。
私は夏場でも、子供のスポーツの付き添いで炎天下のグラウンドに行かなければいけない用事があるのですが、保護者はこぞって植樹の下に潜り込みます。
では本当に木陰は涼しいのでしょうか?
建物の陰と木陰では、違いがあるのでしょうか?
木陰が涼しいと思える理由は、緑がもたらす「体感温度」の違いですよね。
少しでも風が吹いて、緑の葉はさらさら揺れると、癒され感とともに涼しさがくるような気がします。
でも、気分的なものだけでもないのです。
植物は生きているため、人間と同じように温度調節の能力があります。いくら直射日光ガンガン浴びていても、体内の水分を蒸発させることで温度を保っているのです。悲しいかな小さい植物は、水分不足で枯れてしまうことが多々あります。しかし大きな木は、保水能力もあるし、深く根を張って土中の水分を吸収することもできます。なので確実に、大木の周囲は気化熱によって気温が下がっているはずです。また、上下の気温の差によって上昇気流が発生するため、木立の周辺では常に微風が発生します。
そのため、木陰では快適さが増すのです。
直射日光や、アスファルトの照り返しを防ぐために、建物の壁などにつる性の植物を這わせるグリーンカーテンというアイデアもあります。
直接の木陰の作るわけではありませんが、植物の調温を生かして、建物の中に熱が伝導してくるのを防ごうというわけです。植物が覆う範囲によっては、大木に劣らないくらい気流を発生させることも可能です。しかし注意しなければならないのは、建物の素材を傷める危険性もあるということです。つる性の植物は、秋になったらは葉が枯れるので、軸の部分だけが残っても見栄えの悪いものです。
それならば建物から少し離れた部分に植樹をする方が、建物のメンテナンスの面でも優れているかもしれませんね。敷地に余裕があったら、木を植えるということも考えてみてください。植物は成長するので、メンテナンスが大変ですが…風通しのいい街づくりすることを考えれば、積極的に取り入れてほしいですね。